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「医療否定本」について

早朝、ソネットの通信障害にもめげずにヤフーニュースを読んでいますと、医師をされている勝俣範之さんが抗がん剤について言及されている記事がありました。

この方は、日本医科大学の腫瘍内科の教授をされています。記事の内容はというと、巷では「抗がん剤は効かない、逆に命を縮める」といった誤解があるが、これが治療の可能性を狭めていることがあり、抗がん剤治療について正しく知る必要がある、といった内容でした。

「抗がん剤は効かない」という風潮は、医師の近藤誠さんが書いた著書が一因になっているようです。


私は以前に、近藤誠さんが書いた『がん放置療法のすすめー患者150人の証言』という本を読んだことがあります。いわゆる、「医療否定本」というものですが、患者目線に立った書き方をされているので、非常に説得力があるなと感じました。特に医師に不信感がある方や、治療方針に何かしらの疑問がある方は「なるほど!やっぱりね」と盲信してしまうと思います。


実際、私は本を読んで3か月以内に、万が一、身体から癌が見つかったら「抗がん剤はやらない。放置するべし」と宣言していたかもしれません。しかし、冷静に考えれば1つの意見だけを信じるのは危険なことはわかります。


半年位前になりますが、私の知り合いのご家族がステージの進んだ癌であり、ネットで調べたところ
近藤誠さんの「抗がん剤否定論」に巡り合ったそうです。それで1日かけて知り合いと病気のご家族を連れて東京までカウンセリングへ行かれました。

近藤誠さんのカウンセリングは30分3万2千円(!)との事で、しっかりお話を伺う予定だったのですが、二言程度ののアドバイスでカウンセリングは終わってしまったそうです。
ここには書けませんが、「アドバイス」はひどい内容でした。最初に「何かある?」と近藤さんは申されたそうです。

ここで、こっちからきちんとした現状を説明する資料等を持っていかないと話にならないのでしょう。(話にならないからと言って、半日かけてやってきた藁をもすがる病気の人をさっさと帰すというのは、いかがなものかと思いますが)




そんな「医療否定本」が流行する背景として、医療(医師)への不信感があると思います。私も成年前に父を亡くしたのですが、その病院に対して良い思いがありません。
それでも自分が病気の時はいつも治療してもらいますし、ありがたく思っています。しかし、がっかりした気持ちにさせる病院(医師)は確かに存在すると思います。


病院(医師)に対する評価が不透明だと思います。食べログのように簡単に評価が一目でわかるようになればよいのでしょうか。一概には言えませんが、病院(医師)に対する評価が見えやすいことはありがたいと思います。でも病院(医師)への優劣をどのように評価するのでしょうか?結果がわかるのは時間がかかることもありますし、評価する人の知識にも左右されます。


私は近藤誠さんの「抗がん剤否定論」とそれに真っ向から対立するヤフーニュースの記事(勝俣範之さんは実際に『抗がん剤は効かないの罪』で近藤さんの主張を批判されています)を見てどちらを信じていいのだろうか混乱される方もいると思います。


ここでの話はどこにも行きつきませんが、「医療否定本」が流行っていることを医療関係者は重く受け止めてほしいと思った次第であります。ぷんぷん。
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コメント 4

長友

姉を癌で亡くしました。余命3か月とのことで
抗がん剤は使用せずで本当に3か月でした。
あの時に抗がん剤を使う方法を選んでいたらと
その思いで後悔で胸いっぱいです。

by 長友 (2015-11-02 14:59) 

長友

書いたコメントが消えてるってなんでかな?

by 長友 (2015-11-02 15:03) 

ぽんちゃん

フォントの色が白くて見えないんですね。すいません。
by ぽんちゃん (2015-11-02 17:39) 

ぽんちゃん

コメント欄のバックグラウンドカラーを変更しました。
by ぽんちゃん (2015-11-03 08:37) 

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