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TPP発効で乳業はどう変わる?

昨年10月、TPPが大筋合意したとの報道がありました。


で、いつから発効されるのでしょうか。わたし乳業関係に勤めているので気になっちゃいます。

発効までの道のり


TPP協定が発効されるためには、各国政府がTPP協定に署名することが必要で、次にTPPの協定が各国の議会で批准(ひじゅん)されることが必要になります。(批准とは協定(国と国とのとりきめ。国際的なルール)を最終的に、国として確認・同意することです)

恐らく日本やアメリカは、すんなり批准されずにもめるでしょう。

TPP協定を発効する条件は、
「すべての参加国が署名後2年以内に各国の議会での批准手続きを終了する」又は、「国内総生産(GDP)で全体の85%以上を占める6カ国以上の批准」が必要です。

参加国の合計GDPのうち、米国は約60%、日本は約17%を占め、TPP発効には米議会と日本の国会の承認が不可欠です。なので、日本かアメリカが批准できなければTPPは発効できないので数年はかかるのでしょうか。


発効したら乳業にどんな影響があるか


乳製品のうちバターと脱脂粉乳は、政府が輸入を管理する国家貿易の枠組みを維持しながら、低関税輸入枠(発効後1年目から6万トン、6年目以降7万トン)をTPP交渉参加11カ国向けに新設します(関税撤廃はありませんが低関税で一定量を受け入れなければならないという事です)。

チーズでは、人気が高いカマンベールなどで関税(29.8%)を維持する一方、チェダーなどは16年目に関税を撤廃。プロセスチーズには、米国とオーストラリア、ニュージーランドからの輸入品に低関税枠を設け、11年目に年各150トンの無税枠に移行します。加糖練乳は年750トン、無糖練乳は当初年1500トン(6年目以降4750トン)の無税のTPP枠を設けます。(時事ドットコム参考)

よーするに、加工乳は外国からの低価格品に置き換わります。加工乳っていうのはスーパーで売っている「低脂肪乳」などです。これは脱脂粉(濃縮)乳とクリームと水でつくられています。低価格なものが増えれば、混ぜ物なしの「牛乳」の市場にも影響があると言われています。

北海道では乳業メーカーが国産バターや脱脂粉乳、チーズをを製造していますが、ほとんどの工場が操業停止するでしょう。品質があまり変わらないものが外国から入ってきたらそっち買います。国内で作ってもコストが高いので売れないでしょう。

それで、加工用乳の操業停止した北海道の工場が、停止したスペースで飲料用の牛乳を作り始めます。そうすると本州をはじめとする都府県の酪農・乳業は深刻な影響を受けるんです。なぜかっていうと、都府県の酪農は輸入飼料に頼っているからです。北海道の酪農は放牧を併用できるから低コストなんですね。ただし北海道からの輸送コストもあるわけで、道VS都府県での潰しあいのような感じがしますが。
 

むりやりまとめます


物が安く購入できることは、食卓が潤う事なのでとてもうれしいですね。世界のチーズがもっと安い値段で食べらるなんて!とてもうれしい話です。その一方でここにも書いた通り、酪農・乳業の未来は多難です。TPPが発効されないとどんな影響があるかなんてわからないのかもしれません。

もっと不安なのは、TPPがわかりにくいことです。関税品目が細かい事なども原因でしょうが、「調べるぞー」ってなんないと頭に入ってきません。もっともっと議論が必要な大事なことだと思うのですが、どんどん話は進んでいるように思います。気付いたときは目の前に大きな波にやってきて、否応なしにのみ込まれてしまうような不安があります。

もっと世間の関心が高まってほしいと思う今日この頃です。。
(わたしもまだTPPについて調べきれてません。間違い等ありましたら、ご指摘大歓迎です。)

倉敷牛乳頑張れ
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