少しムシムシします。さわやかな風が消え、空気には湿度が増してきました。
ブログの記事をソファで書いていると、膝の上にのせたパソコンの熱で汗ばむようになってきました。「エアコンをいつから稼働するか?」について妻との攻防がこれから始まると思うと、蒸し暑い重苦しい空気がさらに重みを増したように感じられます。
ところで!
蒸し暑い岡山から東へ350Km離れた伊勢志摩ではサミットがおこなわれ、表題にあるパナマ文書についての議論がなされました。ニュースを見ていると「パナマ文書」という単語を多く見かけます。大金に縁がない私には「?」ですが、ちょっと調べてみることにしました。
パナマ文書とは
ウィキペディアによりますと、パナマ文書とは
パナマの法律事務所、モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)によって作成された、租税回避行為に関する一連の機密文書である。
文書は1970年代から作成されたもので、総数は1150万件に上る。文書にはオフショア金融センターを利用する21万4000社の企業の、株主や取締役などの情報を含む詳細な情報が書かれている。これらの企業の関係者には、多くの著名な政治家や富裕層の人々がおり、公的組織も存在する。
とあります。
テキストデータで2.6テラバイトということですから、気の遠くなるような情報量です。分析に多くの時間がかかるようですが一部の情報がWEBに公開されております。
ちなみに「オフショア」とは「岸から海へ向う風」という本来の意味ではなく、「海の向こう側」として税制の優遇が受けられる地域をさしています。タックスヘイブンとも言われており、そこでおこなわれている租税回避行為がオフショア取引とよばれています。
代表的な地域としては香港、マカオ、ソロモン、バヌアツ、マン島、スイス、ルクセンブルグ、 モナコ、リヒテンシュタイン、ケイマン島、バハマ、ヴァージン諸島、
パナマ、バミューダなどがありますが他にもあるようです。
数あるオフショア地域の一つ、パナマの地で暴露されたものが「パナマ文書」ってことなんですね。
公開された情報には日本の有名企業、個人が数多くリストに入っていました。話がそれますのでここでは割愛しますが検索するといろいろ出てくるので興味のある方は調べてみてください。
何が問題か?
タックスヘイブンの匿名性を利用したマネーロンダリングは犯罪シンジケートに利用されるなどの問題がありますが、ここで報道されている「パナマ文書」に関係している企業(人)については違法性はありません。ホリエモンじゃないですけど利用者からしてみれば「
法を犯していないんだから、別にいいじゃん」となるわけです。
感情論からしてみればユニセフ大使のアグネスチャンさんがパナマ文書に出ていたことに驚き、違和感を覚えましたが、法的には何にも問題ないわけです。
みんなお金が大好きなんです。
たくさんお金を稼ぐ人(企業)は、オフショア地域にペーパーカンパニーを作って「節税」する一方、我々サラリーマンをはじめとする一般ピープルはペーパーカンパニーなど作れるわけないので、コツコツと税金を正直におさめる(天引き)しかありません。ちょろまかしてもすぐに税務署にバレますしサラリーマンはちょろまかすことすらできません。
問題点としては違法性うんぬんよりも、
国による富の再分配が適正に機能しなくなる事だと思います。基本として企業や大金持ちは稼いだ分の税金をきちんと納め無くてはならないのにそうならず、中低所得層からガッチリ税金を取ってる状況です。
全体として国の税収が減るわけですから、国は増税したり支出を減らそうとします。消費税が増えれば使えるお金が減りますし、医療や福祉のサービスが低下すれば生活の質が落ちるかもしれません。
取り締まれないのか?
スポンサーのシガラミからかテレビでは大きく報道もされないパナマ文書。ふんわりとした認識でしたが、調べ始めると大金持ちの租税回避はやりたい放題感があって調べるほどに感情的になってしまいます。なぜ政府はキチンと取り締まらないのか?
多分、タックスヘイブンを利用している人の
権力的な力が作用しているのでしょう。伊勢志摩サミットではタックスヘイブンの問題について議論されましたが、おそらくガチで話し合ってはいないように思います。
サミットの参加者であるキャメロン首相もタックスヘイブンを利用しているわけで、国の指導者がたくさん利用しているんです。
自分で自分を取り締まることなんかできません。
『タックスヘイブン――逃げてゆく税金』志賀櫻(岩波新書)では
タックスヘイブンは、富裕層や大企業が課税から逃れて負担すべき税金を負担しないことに使われ、犯罪の収益やテロ資金の移送に使われ、巨額の投機マネーが繰り広げる狂騒の舞台にも使われている。その結果、一般の善良かつ誠実な納税者は、無用で余分な税負担を強いられ、犯罪やテロの被害者になり、挙句の果てにはマネーゲームの引き起こす損失や破たんのツケまで支払わされている」
小市民が搾取されるってのは結局のところ、昔から変わっていないのかなと諦めを交えて思うわけですが、私の理想としては正直者は損をしない社会になればいいなと思っています。パナマ文書をきっかけにして世界の大きなお金の流れを学び、世の中の
黒いしくみについて知ってみるのも良い機会かなと思いました。
2016-05-28 08:57
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コメント(2)
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共通テーマ:マネー
私も「パナマ文書」って最近よく目にするけど何だろう?って思っていたところでした!
簡素に解りやすく説明していただけて大変ありがたいです。
ところで、ズッキーニの苗ですが、ぽんちゃんさんの昨年の市民農園の記事を読み慌てふためき、いただいたアドバイス通り、ふたまわりぐらい大きなプランターを買ってきて植え替えました(#^^#)
いろいろと教えていただき、どうもありがとうございました!
by saia (2016-05-29 11:54)
saiaさま、こんにちは^^
パナマ文書に関する見解はいろいろあるようなので、もし興味がおありでしたら他の方の意見も参考にしてみてくださいね。
ズッキーニ、大きく育つといいですね。本当に大きくなるので4株分だとベランダがアマゾンのようになると思いますよ!
by ぽんちゃん (2016-05-29 14:47)