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カンパリを飲みながら、匂いと記憶について考える

カンパリはビターリキュールとしてイタリアで飲まれているお酒です。ビターリキュールというその名のとおり、苦さが特徴のリキュールで、柑橘系の独特な香りと甘さもあります。

巷では、ソーダと割ったり、オレンジジュースと割ったりして飲まれております。最初に飲んだのは20代前半のころです。先日久しぶりに飲んだのですが、独特な香りと一緒に20代のころの記憶のようなものがよみがえってきました。


言葉で表現するのは、ちょっと難しいのですが当時一緒に飲んでいた友人や住んでいた場所の事や、その時に流れていた音楽の事などが、匂いと一緒にいっぺんに再現していきました。カンパリを一口含むと、ほんの少しの間、この様な余韻に浸ります。

こういう体験は、しばしばあります。
柔軟剤と親戚の家、香水とあの人の匂い、せっけんの香りとあの人の匂い(「あの人」が多いですね)、石油ストーブの油の匂いと冬の思い出、サンオイルの匂いと海水浴の思い出、等々。不思議なのは一瞬その場にタイムスリップしたような感じになることです。これは多くの人が体験していると思います。


では、この様な現象はどういったことなのだろうかと調べてみますと、精神医学的には「プルースト現象」と呼ばれています。マルセル・プルーストという作家の「失われた時を求めて」の作品中で主人公が紅茶の匂いから幼少時代を思い出すというシーンが由来となっているそうです。


脳的な理由としては、記憶をつかさどる脳の「海馬」というところと、嗅覚が関係していることからこのような現象が起こるらしいです。「プルースト現象」で検索するといろいろ出てきます。


ただし、匂いで思い起こされるのは「いい思い出」だけではないだろうと思います。自分にとって良くないことも思い出すのではないかと思います。「良い悪い」は臓器は客観的に判断できないからです。嫌な匂いと辛い思いでもリンクしますし、たとえば、禁酒禁煙をする人が街角で、酒の匂いやたばこの煙を感じた時には、解禁したくなるでしょう。

という事で、良い事ばかりではありませんが、ふと当時にタイムスリップするのは、良くも悪くも刺激的で楽しいとは思います。

「あの人」に乾杯
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コメント 2

旅爺さん

カンパリは柑橘系のリキュールなんですね。
柑橘系のリキュールはまだ飲んだことないかも?
飲んでタイムスリップしようかな・・・・原始時代なんかだったらどうしよう。
by 旅爺さん (2015-10-24 08:56) 

akanenosora

ご訪問ありがとうございました。
by akanenosora (2015-10-24 12:26) 

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